狛ログ

2015年6月5日金曜日

モバイル開発 で AWS をどう使う? 【 AWS Summit Tokyo2015 参加報告①】


オフィス狛 インフラチームです。



AWS Summit Tokyo2015 に行ってきました。




写真のグッズは行った際にもらったものです。他にマグカップやクッキーなどもありました。



(ちなみに写真にはありませんが、まい泉のカツサンドも全員に配っていました。。。さすが Amazon )


少しの時間しかいられなかったのですが、
2日目のデベロッパーカンファレンス(DevCon)の中で
「 モバイル開発 におけるデータストアの選び方」というセミナーに
参加してきたので少し報告します。




「 3-Tierアーキテクチャ から 2-Tierアーキテクチャ へ」


【 3-Tierアーキテクチャ とは?】
クライアントから EC2 サーバを介して AWS サービスを利用する仕組み

【 2-Tierアーキテクチャ とは?】
クライアントから直接 AWS のサービスを利用する仕組み


アクセスキー と シークレットキー を モバイル端末 に組み込むわけにはいかず
( アプリ 配布の際に漏れてしまうリスクなど)
従来は 3-Tierアーキテクチャ が必要とされていましたが、
AWS のサービスを活用することで
2-Tierアーキテクチャへと開発の仕組みが変わってきているとのことです。



紹介されていたサービスとしては、

Congnito
S3
DynamoDB
Kinesis
Lambda

がありましたが、
その中でも Cognito と Lambda に関しては
特に注力してお話されていたなと感じました。


Amazon Cognito とは?】
ざっくりいうと「認証」( Amazon Cognito Identity )と「同期」( Amazon Cognito Sync )の機能を提供するサービスです。

○認証( Amazon Cognito Identity )
Google や Facebook などの別サービスの認証情報を利用したり、
独自の認証機能を設定することで、
一時的な認証を安全で簡単にクライアントに与えて AWS のサービスを利用可能にします。


例えば、ゲストユーザー用にも認証を行うことができるので、
登録前のアプリの体験利用などにも活用できそうですね。


○同期機能( Amazon Cognito Sync )
複数のモバイル機器( スマホ 、タブレット 、など)で同じユーザーを利用する場合、
それぞれで異なる操作をしたときにデータの同期が必要になりますが、
Cognito SyncのAPIを利用することで同期を簡単に行えます。


例えば、、、

・オフライン時の動作としてまずローカルストレージにデータを保存してくれる。

・ローカルとクラウド上のデータのバージョンを比較してデータをプッシュ/プルしてくれる。

・複数の機器でデータ変更があった際、最後の書き込みのみを有効にしてデータの同期を取ってくれる。

・ゲストユーザーにも一意な認証を行っているので使っていたデータを会員登録後も引き継いでくれる。

ゲストユーザーでアプリを体験してもらったデータを
会員登録後もそのまま引き継いでサービス利用できるのは作る側にとっても使う側にとっても便利だなと思いました。




「もはや EC2 いらないのでは?」
とふと感じましたが、
容量制限の問題(Cognitoに1ユーザ-の保存できるデータ量が 20MB まで)や
仮に DynamoDB や S3 を使うにしてもモバイル機器は電源の問題などもあるので、
EC2 と併用していく中でどう活用していくのかを考えていくことが大切なのかなと思いました。

今後モバイル開発をする際の AWS の活用法の選択肢として非常に勉強になりました。


ちなみにAndroidで使う場合は



CognitoSyncManagerの初期化
cognito = new CognitoSyncManager (context, Regions.US_EAST_1, provider);



同期するデータ用を入れるDataSetの作成とデータの追加
Dataset dataset = cognito.openOrCreateDataset(datasetName);
dataset.put(key, value);



同期の実行
dataset.syncronize(new SyncCallback(){..});


のような形で利用します。さらっと同期できてしまいますね。



Amazon Lambda とは?】
これもざっくり言うと AWS 上にプログラムをアップロードし、イベント発生に応じて実行することができるサービスです。


例えば、、、

・ S3 に画像をアップロード

       ↓

Lambda のプログラムを起動し、DBにメタデータを保存 + サムネイルを作成し、 S3 へアップロード




・ Cognito Sync でデータの同期を実行

       ↓

Lambda のプログラムで Amazon SNS (モバイル通知)から各モバイル機器にデータ変更を通知



・Amazon Kinesis(リアルタイムデータのストリーミング処理)にデータを送信

       ↓

Lambda のプログラムで集計処理後DBに登録、データに応じて SNS でモバイル通知


など、何かしらのイベントに応じて次の処理を AWS 上で行ってくれます。

今までアプリケーション上で行っていたことが
本当の意味でバックグラウンド処理できるようになったということですね。


Lambda は相当広い範囲で活用することができ、
セミナー内で紹介されていたサービス全てに対して Lambda の活用例 を紹介していました。

※そういえば、 Lambda の言語として Python が使用されていましたが
Python がデフォルトなのでしょうか?
勝手にnodejsかなと思っていましたが。。。



他のサービスに関しても色々とご紹介して頂いたのですが、
最後のまとめのメッセージとしては、


「アプリ開発以外の課題(データ分析や同期、スケーラビリティの確保、メディアの管理など)は AWS に任せて、アプリ開発に集中できる環境を作りましょう」

ということでした。

確かに開発側としてデータの収集や分析、活用といった部分を考える機会が増えていると感じていたので
改めてクラウドサービスの活用方法を考えていく必要があると思いました。

短い時間しかいられませんでしたが、
単純に勉強になった点と今後のモバイル開発の仕組みを作る上での新しい視点を得られた点で
非常に有意義な時間となりました。


あとこのセミナーに参加する前に Amazon Machine Learning のセミナーにも実は参加してきました。

新しいサービスということで、満員状態で立ち見でした。。。

機械学習というと統計学やR言語などかなり専門的な分野だと感じていただけに
それを簡単に使えるようになるというのは非常に興味深かったです。

まとめる時間がなかったので改めて報告したいと思います。
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