狛ログ

2021年4月23日金曜日

SQL Server のデータ移行方法と特徴について。


オフィス狛 技術部のJoeです。

担当したプロジェクトで、SQL Serverのデータを移行する要件がありました。
データの移行方法を調べてみると色々な方法がありましたので、
いくつかの移行方法と、その特徴をまとめてみました。

1.デタッチとアタッチ

【主な手順】
移行元でデタッチ
-> データファイルとトランザクションログファイルを移行先にコピー
-> 移行先でデータファイルをアタッチ

【特徴】
・データファイルとトランザクションログファイル自体を移行します。
 (実質、データベースの移行になります)
・デタッチすると、DBが参照できなくなります。
 (アタッチし直せば、また参照可能になります)
・SQL Serverのバージョンアップにも対応しています。
・デタッチには、いくつかの制限事項があります。(下記の「データベースのデタッチ」を参照)
 https://docs.microsoft.com/ja-jp/sql/relational-databases/databases/database-detach-and-attach-sql-server?view=sql-server-ver15
・後述する移行方法と比較すると、移行に掛かる時間は最も短いです。

2.バックアップとリストア

【主な手順】
移行元でバックアップ
-> バックアップファイルを移行先にコピー
-> 移行先でリストア

【特徴】
・バックアップファイルを作成して移行します。
 (実質、データベースの移行になります)
・DBを停止しなくても移行可能です。
・SQL Serverのバージョンアップにも対応しています。
・リストアの際に、DBとデータファイル名を変更することで、DB名の変更が可能です。
 同じインスタンス内であれば、DB名を変更することで、複製することもできます。

3.ExportとImport

【主な手順】
Data Source設定 -> Destination設定
 ※SQL Server Management Studio の「Import and Export Wizard」を利用した場合です

【特徴】
・移行先から直接移行先へデータを移行可能です。
・DBを停止しなくても移行可能です。
・Destinationに「Flat File Destination」を指定すれば、移行元のデータをファイル化することができます。
 ただし、テーブル単位でしかファイルを作成できませんでした。
・「Import and Export Wizard」は機能が多く便利なのですが、逆に使いこなすことが難しいと感じました。
一度、「Import and Export Wizard」でデータ移行を試してみたところ、下記エラーが発生しました。
Error 0xc02020f4: Data Flow Task 1: The column "カラム名" cannot be processed because more than one code page (932 and 1252) are specified for it.
こちらは、Import と Export するテーブルの照合順序(Collation)が異なっていたことが原因でしたが、
メッセージから原因が予測できず、解決するのに少し時間が掛かってしましました。

4.スクリプト作成と実行

【主な手順】
移行元でスクリプト作成
-> スクリプトコピー
-> 移行先でスクリプト実行
 ※SQL Server Management Studio の「Generate and Publish Scripts」を利用した場合です

【特徴】
・スクリプトファイルを作成します。
・DBを停止しなくても移行可能です。
・スクリプトファイルは、スキーマのみ(CREATE DATABASE、CREATE TABLE 等)、
 データのみ(INSERT)や、スキーマとデータ両方など、用途によって作成できます。
・SQLが直接書かれたファイルなので、大量データの場合はファイル容量が大きくなり、
 スクリプトを実行する際も、時間が掛かってしまいます。
・逆に、SQLを直接修正(スキーマの変更や、データの編集)できるので、
 データ量が少ない場合は扱い易いです。


データ移行は、移行時のシステムの稼働状態やデータ量などによって、
適切な移行方法を選定する必要がありますので、上記の特徴が何かお役に立てれば幸いです。

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